2017年12月8日金曜日

第13回子ども脱被ばく裁判口頭弁論のご案内

いつも子ども脱被ばく裁判をお支えくださり、ありがとうございます。第13回口頭弁論期日のご案内です。
第12回口頭弁論で、金澤秀樹裁判長から、今後、子ども人権裁判を親子裁判と分離し結審をするか否かについて、次回期日で回答をするように求められました。子ども人権裁判は、原告小中学生に安全な環境を求める権利を認めることを求めています。その性質上、今暫く続くであろう親子裁判の結審まで待つかどうかが問われたのです。それを受け、弁護団と原告団が協議を行い、これまで通りの併合審議を結論としました。その理由として、分離した場合の弁護団・原告団・支援団の負担増も考慮されましたが、弁護団から、今後、土壌汚染の実態調査とセシウムボールによる内部被ばくのリスクを追及し、子ども人権裁判を「放射能被ばくによる危険の基準作り」として位置づけたいとの方向性が示され、原告が了解したことによります。

第13回口頭弁論期日は、これまでの裁判で問われることがなかった「放射能被ばくの危険」を問う争点に、いよいよ迫っていきます。また、私たちの学びの機会として、裁判前の集会では、40年以上環境放射線測定を行い、福島原発事故後は精力的な土壌汚染調査を続け、そのリスクを警鐘しておられる河野益近氏(元京都大学原子核工学)をお迎えして、土壌汚染の現状とリスクについてご講演いただきます。

第2回署名へのご協力も重ねて感謝致します。第14回裁判期日(2018年4月25日)まで集約のご協力をお願いします。続く第3回署名は、第14回裁判期日からの開始を目指し、原告団が作成中です。最も寒さが厳しい季節の裁判となりますが、熱い思いを持って弁護団原告団を応援したいと思います。多数のご参加を心よりお待ちしております。第14回口頭弁論期日は2018年4月25日(水)です。集会会場は追ってお知らせ致します。今から予定に入れてくださいますよう、お願い致します。

■第13回子ども脱被ばく裁判口頭弁論日程
■日時:2018年1月22日(月)午前10時00分〜午後5時00分
■会場:福島市民会館301号室 〒960-8021福島市霞町1番52号 ℡024-535-0111
    http://www.city.fukushima.fukushima.jp/site/shisetsu/shisetu-bunka26.html
    福島地方裁判所 〒960-8512   福島市花園町5-38 ℡024-534-2156

■プログラム
10:00 開会のあいさつ・署名数報告・事務局の今後について
10:20 講演「土壌汚染の実態とリスク(仮題)」 河野益近氏 質疑応答
12:00 昼食と休憩
12:40 支援団報告
13:15 地裁へ移動
13:30 地裁前集会
14:00 傍聴券配布
14:15 入廷
14:30 開廷・意見陳述
15:30 閉廷
15:45 記者会見
16:00 本日の裁判と今後について意見交換
17:00 閉会のあいさつ

■河野益近氏プロフィール
1953年愛媛県生まれ。実家は伊方原発から約8kmの地点。1977年から放射能の測定を開始。1979年まで芝浦工業大学大学院・水戸巌氏の元で研究。東京大学アイソトープ総合センターを経て、2013年、京都大学大学院工学研究科で定年を迎えた。専門は環境放射能、放射線計測、核計測を応用した極微量元素分析。第一種放射線取扱主任者。現在は、淡路島で農作業をしながら、月に一度京都で「放射能なんでも相談室」で相談に応じている。福島原発事故以降、年に数回福島で放射能調査を行っている。今後は、ホットパーティクル(セシウムボール)の調査に力を注ぐ。

2017年10月23日月曜日

第12回子ども脱被ばく裁判報告と感謝


みなさま、子ども脱被ばく裁判 第12回口頭弁論が 昨日10月18日福島地裁(金沢秀樹裁判長)で開かれました。傍聴に参加してくださったみなさま、ご苦労さまでした。今回の原告陳述は荒木田 岳さんでした。陳述後の帰り道で荒木田さんは「生活を根こそぎ破壊された当時者の思いを、あの加害者の顔ぶれに届く言葉にしたら、あんな言葉になりました」と冷たく述懐された内容を要約すれば、「事故直後せめて法にのっとり手続き通りに対応していたら、子どもの被ばくは回避、軽減できていたはず」、「事故後は、自らの失政を反省するどころか、脱法行為を覆い隠し、正当化するための安全神話を流布することに明け暮れている」、「そんな異常さが、今日、立憲主義や法の支配を危機に陥れている」といった内容でした。行政が行った違法行為の事実、私たちは既に忘却の彼方に追いやっていないでしょうか。裁判の原点に引き戻される思いでした。
この日、判決が出たばかりの「なりわい訴訟」の原告さん、広島からの仏教団体、大阪からの初参加の方など、新しいお仲間と繋がり、活発なご意見をいただきました。東京、神戸、大阪からの支援者を含め 約60余名が参加、傍聴者は45名でした。報告された追加署名数は今回1434筆、延べ48523筆となりました。ご協力に心からのお礼を申し上げます。署名は今後も継続をいたしますので、今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。法廷では4人の弁護人が弁論を展開しました。その内容を井戸弁護団長が要約しています。子どもを被ばくから守るために 何を焦点にしているか、ぜひともお読みいただきご意見をお寄せくださいますようにお願い申し上げます。

(文責水戸)



H29.10.18第12回子ども脱被ばく裁判口頭弁論期日のご報告
弁護団長 井 戸 謙 一

本日は、東京地裁の南相馬・避難20mSv基準撤回訴訟と重なったにも関わらず、多数の方が福島地裁に駆けつけていただきました。
1 本日、原告側は、次の準備書面を提出しました。
(1) 準備書面40
ICRPが使う「しきい値」概念を検討し、その主張が政策的判断であることを明確にし、被告国が確定的影響について100mSvを事実上の「しきい値」であると主張している目的は、将来のがん発生についての責任回避にあることを基礎づけたもの
(2) 準備書面41
被告国が合理的であると主張する福島原発事故当時の防災指針は、50mSv以上の被ばくでようやく住民を避難させるという不合理なものであること、子どもに対する安定ヨウ素剤の投与指標は、1999年WHOのガイドラインに従って甲状腺等価線量10mSvとすべきだったのであり、100mSvと定めていた防災指針は不合理であったこと、チェルノブイリ原発事故の際、1000万人の子ども、700万人の成人に安定ヨウ素剤を服用させたポーランドの措置は、小児甲状腺がんが全く発生せず、服用の副作用もほとんどなかったことから国際的に賞賛されたが、そのポーランドにおけるセシウム137による土壌汚染は、最もひどいところでも37000ベクレル/㎡であり、福島よりもはるかに軽度であったこと、福島県立医大の関係者には安定ヨウ素剤を服用させながら、それよりもはるかに高い線量にさらされていた子どもたちに服用させなかった福島県知事の措置は、裁量権の逸脱であること、神戸の郷地秀夫医師の学会発表によれば、福島県及びその周辺地域からの避難者や保養者を検査した結果、多くの子どもに甲状腺自己抗体の陽性者が認められ(従来のデータでは、子どもの甲状腺自己抗体の陽性者はほとんどなかった)、被ばくによる自己免疫性疾患の増大が危惧される状況にあること等を主張したもの
(3) 準備書面42
被告福島県は、2011年3月30日にオフサイトセンターに学校再開の基準を尋ねる文書を送付していることから、学校再開を判断するために必要な知識を持っていなかったことが窺えるが、その被告福島県が、その前日の3月29日に県立学校の始業式を例年通りに実施する旨の不合理な通知を出しており、これが県内市町村教育委員が例年どおり、始業式を実施する旨の判断にも影響を与えたと考えられること等を主張したもの
(4) 準備書面43
福島県立医大では、小児甲状腺がん患者の情報を一元的に管理するためのデータベースを作っており、福島県内のほとんどの小児甲状腺がん患者の情報を持っていると考えられること、被告福島県は、その情報を公開する義務があること、その義務の発生理由として、①小児甲状腺がん患者の情報は福島県の支配領域内にあるところ、福島県は、県内の子どもたちの健康を守るために、この情報を県内の子どもたちや保護者たちに提供すべき作為義務を負うこと、②国には、福島原発事故の発生の責任者(先行行為の責任者)として、住民の健康被害調査を行い、その情報を子どもたちや保護者に提供する責任があるところ、福島県は、国の委託を受けて県民健康調査を実施しているのであるから、その提供責任も引き継いでいると考えるべきこと等を述べたもの原告側としては、今後、現在の福島で子どもが生活することに健康上のリスクについて専門家の意見書を提出して主張を補充したいと考えています。

2 被告福島県は、県民健康調査において「経過観察」とされた子どもたちからの甲状腺がんの発生件数を明らかにせよとの原告らの要求を改めて拒否しました。また、被告国は、原告からの「原子力緊急事態宣言」の内容についての求釈明に対する対応を留保し、次回までに対応を明らかにすると述べました。

3 裁判所は、子ども人権裁判については、議論が煮詰まってきたとして、当事者に対し、主張整理案を提示しました。また、今後、子ども人権裁判と親子裁判を最後まで併合して進めるのか、どこかの時点で分離するのかについて、当事者に意見を求められました。これについては、検討したいと思います。いずれにしても、子ども人権裁判については、終盤に入ってきました。
以上


12回子ども脱被ばく裁判 陳述書

 私は、政府や福島県が、事故前に定められていた原発事故対応の手続を守らなかったゆえに、避けることができたはずの被ばくを住民とりわけ子どもたちに強要した点を中心に陳述します。
 原発事故の責任には、大きく分けて「事故を発生させてしまった責任」と「避けることのできた被ばくを避けさせなかった責任」の2つがあります。
 前者については、今年3月の前橋地裁判決でも、今年9月の千葉地裁判決でも、先週の福島地裁判決でも、津波到来は予見できたし、対策も可能であったため、事故を防ぐことは可能であったと結論されているとおりです。
 私自身は、後者の責任(避けられた被ばくを避けさせなかった責任)が重大であると考えています。
 まず、原発事故が発生した際、どのように対応しなければならないかということは、細かいところまで立ち入ってその手順が定められていました。これは、「原子力防災」と呼ばれていますが、その目的は、住民をいかにして被ばくから守るかということでした(松野元『原子力防災』〔創英社、2007年〕)。
 たとえば、「緊急時環境放射線モニタリング指針」(以下、指針と略記)では、実測と予測の2方向で、放射線拡散をモニタリングするよう取り決めていました。実測の際には、計測する場所も、使用する機器も、計測方法まで細かく指示されており、携行品について、乾電池一本、鉛筆一本まで取り決められていたのです。予測の際も、放出源情報がない場合も含め、拡散予測の方法が細かく決められ、その方法に従ってモニタリングすることとされていましたし、予測結果を送りつける先もあらかじめ決まっていました。
 現場では、実測も、予測も粛々と行われていたし、そのデータの示すところに従えば、福島県民にとどまらず、関東や東北地方の広い地域で避難が行われなければならなかったはずです。一号機建屋が吹き飛ぶ前に、すでに広い範囲で132テルルが検出されていました。すなわち、自然界に存在せず、半減期3日、沸点1,400のものが、2011年3月12日の朝には大熊町・浪江町で、昼過ぎには福島第一原子力発電所から20㎞以上離れた南相馬市で福島県原子力センターによって検出されていたのです。このデータが示すのは、メルトダウンの蓋然性であり、住民被ばくの可能性でした。
 しかし、福島県はこのデータを隠蔽し、住民の避難に活かすことはありませんでした。このデータが、原子力安全・保安院を通じて公表されたのは2011年6月3日のことです。
 SPEEDIを統括していた原子力安全技術センター(当時)が、装置を緊急モードに切り替えて1時間ごとの拡散予測データを、事前に指針で定められていた部署に送付しはじめたのは、地震発生から2時間足らずの3月11日午後4時40分のことです。しかし、政府も福島県も一連のデータを住民には公表せず、住民の避難に活かすことはありませんでした。これらのデータが一部公開されたのは2011323日で、全面的公開は同年5月になってからでした。
 福島県は、3月13日午前10時半過ぎにFAXで県庁に送られたSPEEDIの拡散予測データについて、非公表の口実として放出源情報を挙げています(『福島民報新聞』201157日付)。しかし、指針は、放出源情報がない場合も想定した上で、その際の試算方法も明示しています。また、福島県は電子メールで届けられたSPEEDIの拡散予測データについて、「気がつかず」「消去した」という説明をしています(『福島民友新聞』、『東京新聞』、ともに2012年3月22日付)。しかし、メールによる情報提供を要求したのは福島県原子力センター自身であり、意図的な証拠隠滅としか考えられません。
こうして、「住民をいかに被ばくから守るか」という、原子力防災の目的はないがしろにされ、住民は情報の隠蔽ゆえに被ばくを避けることができなかったのです。放射性物質の降り注ぐ中、一人10リットルあてで配給された水を求めて多くの市民が、赤ん坊まで連れて屋外で長い列を作っていました。危険を知らされていれば、こういう事態は避けられたのではないでしょうか。そうすれば、将来への懸念も減らすことができたはずです。
 そればかりか、その後に始まった行政による「安全宣伝」は、原子力防災がないがしろにされたこと自体を隠蔽し、正当化するものでした。放射線被ばくの危険性は過小評価され、現実に出現し始めている健康影響(たとえば、小児甲状腺癌)も過小評価された被曝量を根拠に「被ばくの影響とは考えにくい」と結論づけています。
もっとも、福島県が放射線被ばくを本気で「安全」と考えていたわけでないことは、福島県立医大の職員(40歳未満)が安定ヨウ素剤を服用していたことからして明らかでしょう。住民には放射線被ばくを強要し(たとえば、自主的に配布した三春町には県が回収を指示しています)、身内には安定ヨウ素剤を服用させるというダブルスタンダードが許されてよいはずはありません。
 総じて、住民に不必要な放射線被ばくを強いたという論点について、被ばくの予見可能性はありました。それゆえ、原子力防災という形で、いろいろな分野において(今回は、時間の都合でモニタリングの話だけを例示)、原子力災害が発生した際の対応手順(被ばくを避けるための手順)が細かく決められていました。しかも、それらの手順に従って、現場では粛々とモニタリングが実施されていました。そのモニタリング結果に基づき、ルールに従って適切に対応すれば、住民の被ばくの大部分は回避することができたのです(3月12日実測値に基づき、SPEEDIの拡散予測を利用して回避策がとられれば住民の被ばくの大部分が回避可能でした)。
 にもかかわらず、政府や福島県は、それら事前に定められた手続きに従わず、実測データ・予測データの双方を隠蔽した上に、住民を積極的に現地に引き留めるなど、「故意」に原子力防災の目的とは正反対の行動をとりました。さらに、証拠隠滅や、自身の行為を正当化するための安全宣伝まで行っています。その結果、子どもたちに余計な被ばくをさせ、将来の健康不安につながっています。
こうしたことが、原発事故後6年半にわたって続けられてきたし、現在も続いているのは異常だといわざるをえません。こうした異常が、今日、立憲主義や法の支配を危機に陥れているものの正体ではないかと私は考えます。
 上記の連鎖を断ち切り、法や手続きに従った行政が回復されることを願ってやみません。そのための適切な判断を、裁判所には切に願うものです。
以上

第12回口頭弁論期日の書面がアップされました。
子ども脱被ばく裁判弁護団のページ:http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp

裁判の報道です。ご覧ください。

民の声新聞:http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-199.html

2017年9月15日金曜日

第12回子ども脱被ばく裁判口頭弁論のご案内

子ども脱被ばく裁判を支援してくださるみなさま

いつも子ども脱被ばく裁判をお支えくださり、ありがとうございます。第12回口頭弁論期日のご案内です。
第11回口頭弁論は、ちょうど夏休み中でもあり、乳児から高校生まで7名が原告席に座りました。子ども自らが裁判に訴えないと生命が守れない現実に怒りと理不尽さを覚えますが、同時に、大人である私たちの責任も痛烈に問われていることを実感しました。
第12回口頭弁論期日の午前中は、中盤から終盤に差し掛かってきている本裁判の意義と目指すところを、改めて共に学ぶために、弁護団よりお話をいただきます。昼食時には、原告団と弁護団、共同代表が交流会を持ちます。そして、裁判では法廷を満席にしましょう。ご多忙とは存じますが、たくさんのご参加をお願い致します。
 
子ども脱被ばく裁判の会 水戸喜世子 片岡輝美

■第12回子ども脱被ばく裁判口頭弁論日程
■日時:2017年10月18日(水)午前10時30分〜午後5時00分
■会場:福島市民会館501号室 〒960-8021福島市霞町1番52号 ℡024-535-0111
    http://www.city.fukushima.fukushima.jp/site/shisetsu/shisetu-bunka26.html
    福島地方裁判所 〒960-8512   福島市花園町5-38 ℡024-534-2156
■プログラム
10:30 開会のあいさつ・署名数報告・事務局の今後について
11:00 「本裁判の意義と目指すところ」弁護団
12:00 404号室にて原告団・弁護団の昼食交流会。支援者は501号室にて昼食と休憩
13:15 地裁へ移動
13:30 地裁前集会
14:00 傍聴券配布
14:15 入廷
14:30 開廷・意見陳述
15:30 閉廷
15:45 記者会見
16:00 本日の裁判と今後について意見交換
17:00 閉会のあいさつ

2017年8月10日木曜日

第11回子ども脱被ばく裁判報告と感謝



子ども脱被ばく裁判支援者のみなさま

昨日8月8日、第11回子ども脱被ばく裁判口頭弁論を迎えました。懸念されていた台風の影響はほとんどなく、裁判所前集会も持つことができました。ご多忙な中、お集まりくださった皆さまへ、心より感謝申しあげます。ありがとうございます。午前中は映画「奪われた村〜避難5年目の飯舘村民」を上映し、豊田直巳監督のお話を伺いました。映像に登場する人々は多くを語りませんが、その一言一言からは無念さ、やるせなさ、苦悩が滲み出ていました。「原発事故が起きてしまった時代、大人として、どのような責任が取れるのかが問われている」との豊田監督の言葉から、映画を観た私たちは大切な視点が与えられたと感じています。


井戸謙一弁護団長の期日報告の冒頭に記されてあるように、乳児から高校生までの7名とその親御さんが原告席に並ぶ光景は圧巻でした。子どもが裁判で訴えなければならない社会の罪深さを感じつつも、しかし、健康と未来を守るための権利を行使する若者たちの姿に、午前中伺った豊田監督の言葉を想起しました。意見陳述は二人の父親でした。原発事故直後から今もなお、子どもを守ろうとしない行政のあり方に大きな不満と憤りが、法廷内で訴えられました。陳述書を読み上げるお二人の手は微かに震えていました。それは怒りを抑えるのに必死な震えであったと思います。


昨日、提出された署名は2089筆。これまでの総数は47089筆となります。全国のご協力に深く感謝申しあげます。弁護団ブログには準備書面全てが掲載されています。どうぞご覧ください。



第12回口頭弁論期日は10月18日(水)です。今からご予定に入れてください。傍聴席を埋め尽くし、いよいよ本格化する審議を見守りましょう。続けての署名活動もご協力ください。どうぞよろしくお願い致します。

子ども脱被ばく裁判の会 片岡輝美



第11回口頭弁論期日(2017年8月8日)の報告
弁護団長 井 戸 謙 一 
1 今回は、子どもたちの夏休み中であった上、福島に帰省しておられる避難者の方々もおられたため、17名(大人10名、子ども7名)もの原告親子が原告席に並びました。法廷に強いインパクトを与えたと思います。子どもたちは、書記官室に署名を届ける役割も果たしてくれました。
2 原告側は、4通の準備書面(3639)を提出しました。その概要は、次のとおりです。
(1) 準備書面36
スピーディの情報隠ぺい問題についての補充主張を内容とするもの、とりわけ、スピーディ情報が伝達されなかった原因の一つとしてオフサイトセンターが機能しなかったことがあるが、機能しなかった理由は、エアフィルターの設置を怠った国の杜撰な対応にあること等
(2) 準備書面37
ICRPLNTモデル(直線・しきい値なしモデル、低線量の被ばくであっても、その線量に応じた健康被害のリスクがあるという考え方)を採用しているのは、可能な限りの科学的検討をした上、その考え方が科学的に最も妥当であると判断したからであり、国がこれを軽視するのは誤りであること等
(3) 準備書面38
① 科学的に最も妥当だと国に原子力緊急事態宣言の具体的内容の説明を求める必要があること
②本件訴訟は、裁判所に対して、低線量被ばくの健康リスク問題についての科学的判断を求めているのではなく、低線量被ばくの健康リスクについての様々な研究結果とそれを踏まえて構築されてきた日本の法的規制(一般公衆の被ばく限度を年1ミリシーベルトとしていること、放射線管理区域の規制等)を踏まえて、その規制をはるかに超える被ばく環境で子どもたちに対する教育活動を実施することが許容されるのかという法的判断を求めているものであること
③ 公立小中学校を設置、運営している地方自治体には、義務教育を実施することによって子どもたちの健康を害することのないように配慮する義務があり、子どもたちには、地方自治体に対し、児童生徒の安全を護るために必要な措置をとることを求める権利があること
 (4) 準備書面39
近年世界で公表されている低線量被ばくについての疫学調査結果が信頼に値するものであり、国の批判は的外れであること等
3 被告国は、原子力緊急事態宣言の内容について明らかにすることを拒否しましたが、裁判所は、これを明らかにするよう国に強く求めました。また、福島県は、原告側が、県民健康調査で経過観察とされた後に甲状腺ガンが発見された子供の数を明らかにするように求めたのに対し、「その数を把握していない」として、これを拒否しました。我々は、この問題は、更に追求する所存です。
4 裁判所は、子ども人権裁判(行政訴訟)について、ほぼ議論が煮詰まったとして、次回には争点項目案を示すと述べました。親子裁判(国賠訴訟)については、あと2~3回、主張のやり取りが必要だと思われます。
5 議論は、中盤から終盤に差し掛かりつつあります。この裁判は、国や自治体の低線量被ばく対策の是非を正面から問う裁判です。引き続き、ご支援をお願いいたします。
以上


2017年7月12日水曜日

第11回子ども脱被ばく裁判口頭弁論のご案内

子ども脱被ばく裁判をご支援くださるみなさま
日頃より、子ども脱被ばく裁判をお支えくださり、深く感謝申しあげます。ありがとうございます。
第10回子ども脱被ばく裁判で、弁護団は次々と原告準備書面に関する意見陳述を熱く語り、その整然とした論理展開に傍聴者も引き込まれていました。原告意見陳述は代読となりましたが、親子三人避難したくても、経済的な事情により叶わないこと、保養プログラム参加後は明らかに子どもの健康状況が改善されていること、しかし、周囲からの心ない言葉に傷ついていることが、淡々と綴られていました。「親として我が子の健康を心配して、何が悪い!」との叫びは傍聴者の胸に迫り、あちらこちらからすすり泣く声が聞こえてきました。このように、本裁判が確実に核心に迫りつつある手応えを感じた一方、福島県内は20mSV/y帰還政策の強行や県民健康調査の縮小化矮小化の検討が進められています。本裁判で勝訴し、ますます生命が蔑ろにされていく流れを、ぜひとも止めていきたいと強く願うところです。
下記の通り、第11回子ども脱被ばく裁判が開催されます。暑さの厳しい時ではありますが、ぜひ福島地裁を目指して、お集まりください。法廷を満席にしましょう。また、午前中のアクションプログラムでは、豊田直巳監督のトークと「奪われた村〜避難5年目の飯舘村民」の自主上映を行います。国内外でご活躍の豊田直巳監督のお話を直に聴くことができる機会です。ご期待ください。

子ども脱被ばく裁判の会 水戸喜世子 片岡輝美
子ども脱被ばく裁判原告代表 今野寿美雄

第11回子ども脱被ばく裁判口頭弁論日程
■日時:2017年8月8日(火)午前10時00分〜午後5時30分
■会場:福島市民会館501号室 〒960-8021福島市霞町1番52号 ℡024-535-0111
    
http://www.city.fukushima.fukushima.jp/site/shisetsu/shisetu-bunka26.html
    福島地方裁判所 〒960-8512  福島市花園町5-38 ℡024-534-2156
■プログラム
  • 10:00 開会のあいさつ・署名数報告
  • 10:10 上映「奪われた村〜避難5年目の飯舘村民」と豊田直巳監督トーク
  • 12:00 昼食と休憩
  • 12:45 弁護団より本日の裁判の争点 
  • 13:15 地裁へ移動
  • 13:30 地裁前集会
  • 14:00 傍聴券配布
  • 14:15 入廷
  • 14:30 開廷・意見陳述
  • 15:30 閉廷
  • 15:50 記者会見
  • 16:20 本日の裁判と今後について意見交換
  • 17:30 閉会のあいさつ


豊田直巳さん:1956年、静岡県生まれ。
日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。長年にわたり、イラクやパレスチナなどの紛争地を取材。劣化ウラン弾問題やチェルノブイリの取材経験をもとに、現在は福島を中心に取材活動をしている。写真集・著書『フォト・ルポルタージュ 福島を生きる人々』(岩波書店)、『フクシマ元年』(毎日新聞社)、『フォトルポルタージュ 福島 原発震災のまち』(岩波書店)、『豊田直巳編 TSUNAMI 3・11』(第三書館)、戦争を止めたい』(岩波書店)など多数。ドキュメンタリー映画『遺言〜原発さえなければ』(共同監督)

■「奪われた村〜避難5年目の飯舘村民」物語〜5年を経て明らかになる放射能汚染地帯の現実〜より:http://ubawaretamura.strikingly.com
福島第一原発の爆発直後のまだ村にヨウ素131が漂い、セシウムが強烈な放射線を放っている時期には「安全だ」と言われて村に留め置かれ、半減期8日の放射性ヨウ素が放射線を放って消滅した頃になって村民全員がふる里を追われた飯舘村。以来、村人は放射線被ばくによる健康不安、慣れない仮設住宅に暮らすストレス、共同体の崩壊による孤独感を味わってしました。そして時を経るごとに実感するようにな るのは、原発事故によって奪われたものの大きさでした。しかし、村を追われ、理不尽さを耐え忍んできた人々が、いま、声を上げたのです。原子力ムラに叛旗を翻すべく、ADRに申し立てたのだ。「謝れ!償え!かえせふるさと飯舘村」と。
このドキュメンタリー作品は人口の過半数を超える3000余名の村民が立ち上がった「謝れ!償え!かえせふるさと飯舘村」原発被害糾弾飯舘村民申立団の協力を得て取材撮影されました。また製作に当っては同申立団を法的に支える弁護団の協力の下、ドキュメンタリー映画『遺言~原発さ得なければ』の共同監督でフォトジャーナリストの豊田直巳が、自らカメラを回し、また構成・監督を務めました。
撮影は昨年(2015年)3月から今年、4月まで1年に及びました。それは、村民が「奪われたもの」が何なのかを、製作する側が実感するためにも必要な時間でした。しかし、村人自身が「奪われたもの」が何なのかを自覚するまでには5年という、あまりに長い苦渋の歳月があったのです。この作品に登場する村人の眼前に、そして心の中にあった「美しい村」から何が「奪われた」のか、是非、ドキュメンタリーをご覧いただき、こころに留め置かれること願いつつ・・・。

2017年6月13日火曜日

第2回「子ども脱被ばく裁判への公正な審議と判決を求める署名」募集中!

子ども脱被ばく裁判支援者のみなさま

日頃より、子ども脱被ばく裁判をお支えくださり、感謝申しあげます。子ども脱被ばく裁判の会では、正当な裁判を要請する「第2回子ども脱被ばく裁判への公正な審議と判決を求める署名」を行っています。毎回の裁判公判前では、全国や海外から集められた署名を束を提出しています。5月24日第10回口頭弁論で提出された署名を含め、これまでの総数は4万5千筆となりました。みなさまのご支援に感謝申しあげ、今後も公判前1週間を〆切の目安として、まとめていきます。引き続きのご支援を心よりお願いいたします。

子ども脱被ばく裁判の会

■呼びかけ・集約団体
子ども脱被ばく裁判の会(共同代表 水戸喜世子 片岡輝美)

■集約先
〒522-0043 滋賀県彦根市小泉町78-14 澤ビル2階 井戸謙一法律事務所
TEL・0749-21-2460 FAX・0749-21-2461

■集約日
  • 第7次集約〆切:2017年 7月31日 
  • 第8次集約〆切:2017年10月10日 
*署名送付は郵送または、FAXでお願いします。
*本署名は裁判所提出のみに用い、それ以外の用途には用いません。
*コメント欄が足りない場合は、別紙に記載して添付してください。


署名用紙 
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2017年5月27日土曜日

会報『道しるべ』第7号発行しました。

会報『道しるべ』第7号ができました。
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◆今後の口頭弁論期日について
本裁判は福島地方裁判所(福島市)で開かれます。今後の予定は次の通りです。傍聴席を満席にして、弁護団原告団を応援しましょう。ぜひ、お出かけください。

・第11回口頭弁論期日 2017年 8月 8日(火曜日)1430より
・第12回口頭弁論期日 2017年10月18日(水曜日)1430より

福島地方裁判所:福島市花園町 5-38 電話番号 024-534-2156