ページ

2016年10月14日金曜日

第7回口頭弁論期日報告(井戸謙一弁護士)

弁護団の井戸弁護士報告です。



第1 今回の期日で陳述された準備書面は次のとおりです。
 1 原告側
(1) 準備書面(17)
子ども人権裁判における被告福島市の主張に対する反論を内容とするもの
(2) 準備書面(18)
親子裁判において、被告国や被告福島県の違法行為と原告らが受けた損害との具体的な因果関係が存在することについて主張するもの。これを裏付ける証拠として、原告の方々の陳述書11通を提出しました。
(3) 準備書面(19)
近年世界中で報告されている低線量被ばくの健康リスクについての疫学調査結果について主張するもの。これを裏付ける証拠として、2012年以降に報告された5つの疫学調査結果を提出しました。

 2 被告国 準備書面(3)
福島原発事故当時の原発の防災計画について説明し、住民に対してした避難指示は適切であり、安定ヨウ素剤の服用指示の基準(小児甲状腺等価線量100mSv)の内容も、服用の指示を出さなかったことも合理的であると主張するもの

 3 被告郡山市・同田村市 準備書面(5)
クリアランスレベルの定めは、人に対する健康影響とは関係がないこと、平成27年の大気浮遊塵モニタリングによると、これを吸入することによる内部被ばくはわずかであること、子どもが現に通学している学校での空間線量は、十分に低減していること等を内容とするもの

4 被告伊達市 準備書面(5)
原告の子どもが通う学校の空間線量は年1ミリシーベルト以下に低減していること、子どもたちに、「安全な地域で教育することを求める権利」はないこと等を内容とするもの

第2 原告の意見陳述
  今回は、郡山市に住むお母さん2人が意見陳述しました。母親として子を思う心が溢れていて、傍聴人の胸を打ちました。

第3 今後の予定、その他
 1 子ども人権裁判
   被告市町村の反論は、本日で出揃ったことになりました。次回には、原告側から再反論をします。被告市町村の主張は、空間線量が下がってきたことを主張しているものの、土壌汚染については、反論らしい反論がないことが特徴です。


 2 親子裁判
   引き続き、原告側で原告の陳述書の追加提出と、因果関係(被告国や被告福島県の無作為によって、子どもたちがどのように無用な被ばくをさせられたか)についての追加主張をします。


 3 署名について
   全国からたくさんの署名をお送りいただき、本日、8341筆を裁判所に提出することが出来ました。この裁判が、全国的に、あるいは世界的に注目されている重要な裁判であり、真摯に取り組む必要があることを裁判官に自覚させるため、引き続き、ご協力をよろしくお願いいたします。

以上





■ユープラン三輪さんから、当日後半の動画が届きました。
20161012 UPLAN【後半・弁護団報告、地裁前集会、記者会見、意見交換会】
弁護団「これまでの進捗状況と本日の争点」他https://www.youtube.com/watch?v=Tp-HIAS5sDY