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2017年5月27日土曜日

第10回子ども脱被ばく裁判報告と感謝

子ども脱被ばく裁判をご支援くださるみなさま


 5月24日(水)、第10回子ども脱被ばく裁判口頭弁論が行われました。蒸し暑い福島市に全国から60名に近い参加者がお集まりくださいましたこと、深く感謝申しあげます。ありがとうございます。
 午前学習会では、フリージャーナリスト・西中誠一郎さんをお迎えし、「今村雅弘復興大臣辞任に至る経緯とその後(今村、吉野両復興大臣、民進党幹部の発言から)」と題して、ご講演いただきました。4ページにわたる詳細な時系列を記したレジュメからは、今村雅弘前復興大臣の発言は国是として帰還政策を本気で取り組もうとしていた証拠であり、吉野正芳新復興大臣も福島県出身であっても、避難や被ばくの危険性に踏み込んだ議論を避け、帰還困難区域内に「復興拠点」を設ける従前通りの復興方針であることが見えてきました。また、福島県が発表した避難者の住まい確保状況の数値がひとり歩きしており、実態に伴わないこと。しかし、その事実を指摘しながら、今後は衆参両議院復興特別委員会参考人質疑などを契機として、国会議員や各省庁などと一緒に取り組むべき課題を提示していく重要性を最後にお話くださいました。ご講演に続き、翌25日、衆議院復興特別委員会参考人として招致される原告・松本徳子さんからも、招致実現に至る経緯や思いを伺い、共に訴える気持ちを込めて拍手でエールを送りました。
 午後の裁判では、弁護団は次々と原告準備書面に関する意見陳述を熱く語り、その整然とした論理展開に傍聴者も引き込まれていました。原告意見陳述は代読となりましたが、親子三人避難したくても、経済的な事情により叶わないこと、保養プログラム参加後は明らかに子どもの健康状況が改善されていること、しかし、周囲からの心ない言葉に傷ついていることが、淡々と綴られていました。「親として我が子の健康を心配して、何が悪い!」との叫びは傍聴者の胸に迫り、あちらこちらからすすり泣く声が聞こえてきました。


◆弁護団ブログには既に準備書面が掲載されています。
弁護団ブログ:
http://fukusima-sokaisaiban.blogspot.jp
民の声新聞・鈴木浩喜記者が、裁判報告と5月9日にひだんれんと行った甲状腺検査の改善を求める要請について、まとめてくださっています。ありがとうございます。こちらもどうぞご覧くださり、拡散してください。
民の声新聞:
http://taminokoeshimbun.blog.fc2.com/blog-entry-162.html 



 翌25日、参考人として意見を述べる松本さんを、ネット中継でご覧になった方も多いことでしょう。これまでの日々の苦悩を思い出しながら語り、しかし冷静に今後への提言を述べられた一言一言に聴き入ったのは、私ひとりではないと思います。また、同じく参考人であった早川篤雄住職が「心にないことは、言葉となって出てこない。今村前復興大臣が言ったことは、失言ではなくて、本音だ」と訴えられました。真実は私たちの側にあると思った瞬間でした。次回第11回口頭弁論は8月8日(火)です。裁判もいよいよ中盤にさしかかり、今後は証人喚問の準備に入ります。多くのご参加を心よりお待ちしています。また、会報「道しるべ」第7号も発刊しました。ご希望の方は、事務局までご一報ください。


子ども脱被ばく裁判の会 水戸喜世子 片岡輝美