3月15日、柳原敏夫弁護士、今野寿美雄原告代表と原告1名が福島地裁で控訴の手続きを行いました。以下、柳原弁護士の報告です。当日は支援者数名も地裁にかけつけ、弁護団原告団を激励。舞台はいよいよ仙台高裁へ移ります。引き続きのご支援をお願いいたします。
3月前半は「瞬く間」に過ぎてしまった――この日、控訴手続に参加した原告、代理人、支援者全員の率直な感想でした。判決言渡しがあった3月1日から控訴期限の15日まで無我夢中だったからです。
8日の弁護団から原告団に対する一審判決の説明会(オンライン)で、参加した原告の方々は全員控訴を表明し、11日の「控訴の声明」の通り、控訴が正式に決定しました。とはいえ、この日の参加した原告はわずかであり、他方、控訴は各原告自身が決定する事柄であるので、いったい、どれくらいの原告の方々が控訴するのか未知数でした。そのため、この8日から15日の提出まで、各原告への控訴の打診を行い、文字通り無我夢中の日々でした。2014年8月提訴以来6年半の年月が流れ、「原発事故は終わった。東京オリンピックを復興のシンボルに」といったまことの風評被害が吹き荒れ、それに追い討ちをかける1日の原告全面敗訴の過酷判決という逆境の中で、控訴は多くの原告の人たちにとって大変な試練だったはずです。しかし、この逆境にもかかわらず、15日には、行政訴訟6名、国賠訴訟125名の原告の方々が控訴しました。この人たちの存在は弁護団、支援団を鼓舞し、逆流に真正面から立ち向かおうと決意した原告の人たちに負けないように、私たちに第2ラウンドの戦いに立ち向かう決意を引き出してくれました。
3月15日から50日後(5月4日)が控訴審における私たちの所信表明ともいうべき控訴理由書の提出期限です。次は、一審判決のまちがい、おかしな点をみんなで検討する番です。裸の王様を笑うのが子どもです。その子どもが大笑いできるくらい「一審判決のまちがい、おかしな点」を解き明かして、大人も子どもも共有しましょう。そして、その集大成として控訴理由書が完成するように、これから「みんなで作る控訴理由書」の取り組みに励みたいと思います。
■子ども脱被ばく裁判弁護団ブログ
控訴状(2021年3月15日)とその報告